2024年食文化継承賞


■エネルギー:658 Kcal

 宇陀市はアントレプレナーシップ教育を行うために、バルト三国のひとつエストニア共和国と交流を始め、昨年は選ばれた10名の中学生が短期留学を行いました。そのことにちなみ、選ばれなかった生徒たち、また、宇陀市全体の児童生徒に学校給食を通じてエストニアの食文化にふれて、身近に感じてもらおうと実施した献立です。
 エストニアの食文化といえば、乳製品・発酵食品などをうまく活用し、調味料にたよらず素材そのものの味を生かした料理であり、また季節の恵みを生かし栄養も抜群な食事をとっているところなどは、昔の日本の食事に似ているところがあると感じました。
調味料にたよりがちな現代の日本の食事を見直し、季節ごとの素材そのものの味を生かした食事こそが学校給食にふさわしいと感じて作成しました。
 エストニアで食べられている野菜は、宇陀市で栽培されている野菜が多くあり地場産物の活用にもなります。 
 また、宇陀市に近畿最大級の獣肉利活用食肉処理施設が完成しました。食肉処理された宇陀の鹿を学校給食に活用したいと考え献立に取り入れました。
エストニアの食文化について興味関心を持てるように、料理を通して指導したいと思います。
例えば、エストニアと日本の食文化を比較して主食・主菜・副菜・汁物・果物など日本との違いやよく似ているところ、素材のうまみを生かすような料理が多いことや、ハーブなどをとりいれ香りを楽しむ料理が多いことなど日本と似た部分があること、また、それぞれの食材の味を生かすように薄味に仕上げる(減塩)ところも日本と似ていて、健康に良い食事につながることも指導したいと考えます。
 短い夏に収穫した食材を一年中食べられるように、干したりジャムにしたりピクルスに加工するなど大切に食べられていて、それぞれのレシピに活用されていることも知らせたいと感じました。
 また、学校給食に鹿肉を活用することで、普段食べている豚肉・鶏肉・牛肉などの命をいただく指導はもとより、畑の農作を食べ荒らすために駆除された鹿を、その命を無駄にせずいただくことの大切さを給食を通して指導していきたいと考え給食に取り入れています。

■材料(1人分(小学校))

≪サーモンとポテトのオーブン焼き≫
・鮭切り身 30g
 塩 0.03g
 こしょう 0.01g
・薄力粉 3.2g
・バター 3.2g
・牛乳 32g
 固形ブイヨン 0.26g
・じゃがいも 13.6g
・たまねぎ 13.6g
 水 22.4g

≪ビーツのサラダ≫
・ビーツゆで 4.8g
・キャベツ 15.36g
・きゅうり 20.48g
・にんじん 5.12g
 イタリアンドレッシング 4.08g
 いちごジャム 3.84g

≪鹿肉と豚肉のセリアンカ≫
・鹿肉 5.12g
 塩麹 0.51g
・豚もも肉 5.12g
・生しいたけ 6.16g
・たまねぎ 13.6g
・にんじん 13.6g
・かぼちゃ 13.6g
・だいこん 10.24g
・大和まな 10.24g
 おろしにんにく 1.6g
・ホールトマト 13.6g
 トマトピューレ 4g
 上白糖 0.61g
 バジル粉 0.16g
 オリーブ油 1.6g

■作り方

≪サーモンとポテトのオーブン焼き≫
じゃがいも...細切り 
たまねぎ...2㎜幅にスライス
さけ...塩こしょう
①バターをとかし、たまねぎ、ジャガイモを炒める。
②小麦粉を振り入れ、牛乳を加える。固形ブイヨンも加え加熱する。最後に水を加えゆるめる。釜から取り出しておく。
③アルミカップにさけを並べ、②のソースをかける。
 熱風モード 250℃ 12分間

≪ビーツのサラダ≫  
ビーツ...いちょう切り 
きゅうり...3㎜幅の輪切り
キャベツ...1㎝幅に切る
にんじん...2㎜×2㎜の細切り
①ジャムとドレッシングを合わせる。
②野菜をゆで、冷却機に入れて、冷ます。
③②と①をあえ、調味する。

≪鹿肉と豚肉のセリアンカ≫
鹿肉...塩麹とバジルを揉みこんでおく(30分程度)
しいたけ...5㎜幅に切る。
たまねぎ...1.5㎝の角切り
にんじん...1㎝の角切り
かぼちゃ...1.5㎝の角切り
だいこん...1.5㎝の角切り  
大和まな...1㎝幅に切り下ゆでする。
ホールトマト缶...1.5㎝の角切り  
①漬け込んだ肉を炒める。
②たまねぎ、だいこん、にんじんを加え、水を加え煮る。
③ホールトマト缶、トマトピューレ、さとう、にんにくとかぼちゃ、しいたけを加え煮る。
④大和まなを加える。


■栄養成分表

(※ 小学生1人分の栄養価)

エネルギー 659 kcal
蛋白質 28.8 g
脂質 21.6 g
カルシウム 350 mg
食塩相当量 2.0 g