2023年栄養満点アイディア賞


■エネルギー:804 Kcal

 明治時代より、吉野郡下北山村では、「下北春まな」と呼ばれる漬け菜が独自に栽培されてきました。
 収穫は12月頃から始まり、1〜2月にピークを迎え、冬の霜にあたるとより甘味が増しておいしくなります。
 郷土料理である「めはり寿司」として食べられるのが一般的ですが、おひたし、鍋、みそ和えなどのさまざまな料理にも合います。塩漬けにした「春まな漬」はそのまま食べるだけでなく、炒飯の具材としても使うことができます。
 そんな下北春まなは栄養も豊富です。ほうれん草と比べてみても、食物繊維やカルシウム、鉄分などが多く含まれています。今回は下北春まなに不足しているたんぱく質を補充する豆腐と、より鉄分を強化するためひじきを合わせて、白和えにしています。白和えという料理が子どもたちにはあまり馴染みのないようで、「味はおいしい」「ぐちゃぐちゃにした豆腐が苦手」「食感が…」など嬉しい感想の他にネガティブな感想もちらほらあり、悔しい結果となりました。去年の初登場から学期に1、2回ほど提供していますが少しずつ慣れてきたように思います。
 下北春まなの他にも、新しい挑戦としてはちみつを取り入れてみました。デザートではなく調味料として使用するのがポイントです。子どもたちにはイメージしづらかったようで、献立表のメニュー名を見て、「どんな料理なんだろう?」「鶏肉と合うのかな?」と想像を膨らませていました。味はおいしかったそうで、残食はありませんでした。
 汁物は奈良県の郷土料理「あすか汁」をベースに、牛乳ではなくアレルギーの子も食べられるように豆乳仕立てで仕上げました。普段のみそ汁とは違った味わいで、人気のメニューです。

■材料(1人分)

≪はちみつ照り焼きチキン≫
鶏肉もも 50g
料理酒 1g
食塩 0.5g
たまねぎ 24g
はちみつ 7.5g
こいくちしょうゆ 4g
料理酒 2g
レモン果汁 1.5g
米油 0.5g

≪鉄分たっぷり白和え≫
木綿豆腐 50g
ひじき 1g
下北春まな 15g
にんじん 6g
ぶなしめじ 3.5g
ねりごま 1g
いりごま 1g
三温糖 0.5g
こいくちしょうゆ 1.5g

≪豆乳あすか汁≫
鶏肉もも  24g
にんじん 6g
えのきたけ 6g
だいこん  10g
さといも 24g
はくさい 30g
葉ねぎ 6g
豆乳 25g
甘みそ 12g
水 90g
だしパック 2g

■作り方

≪はちみつ照り焼きチキン≫
①鶏肉に料理酒と食塩で下味をつける。
②鉄板に①を並べ、スチコンで焼く。
 (ホット250℃6分→コンビ60%230℃6分 )
③たまねぎ…うす切り
④米ぬか油でたまねぎをあめ色になるまで炒める。
⑤たまねぎを炒め終えたら、調味料をすべて入れ、
 ひと煮立ちさせる。
⑥焼きあがった鶏肉に⑤をかける。

≪鉄分たっぷり白和え≫
①ひじき…もどす。
②春まな…4cm幅にざく切り
 にんじん…短冊切り
 ぶなしめじ…ほぐす
③切った具材をスチコンで蒸し、冷却機で冷ます。
④木綿豆腐は穴あきホテルパンに並べ、スチコンで
 水切りをする。(スチーム100℃10分)
⑤水切りをした豆腐はボウルに移し、なめらかになる
 までつぶす。
⑥⑤をざるに移し、冷蔵庫で冷やす。
⑦ひじきをしぼって水気を切る。
⑧全ての具材と調味料を混ぜ合わせる。

≪豆乳あすか汁≫
①だし袋でだしをとる。
②鶏肉…2cm角切り
 にんじん、だいこん…いちょう切り
 えのきたけ…2cm幅にざく切り
 はくさい…短冊切り
 葉ねぎ…小口切り
③鶏肉をだし汁で煮る。
④野菜を煮えにくい順にだし汁で煮込む。
⑤豆乳と甘みそを溶き入れる。


■栄養成分表

(※ 1人分の栄養価)

エネルギー 804 kcal
蛋白質 33.8 g
脂質 23.8 g
カルシウム 402 mg
食塩相当量 2.5 g
4.7 mg